※こちらは、2023年5月からのアーカイブコーナーとなります。

河島 明美 個展   ―ものがたりのゆくえ―  2023年10月26日(木)~10月31日(日)

河島明美さんが不透明水彩(ガッシュ)で描き出す猫の世界は、ユーモアと慎みと詩情にあふれており、猫好きも、そうでない方も静かな感動を覚えます。

すでに高い評価を得ている河島さんの画集『Cats&』には、震災の浜で送り火を焚く猫たちや、酔いつぶれてマスターに帰りを促される猫、果てはヨン様猫、踊り子猫などが登場し、1作(1頁)ごとに完結した物語性に満ちています。

今回は「ものがたりのゆくえ」というテーマで、新作を中心にさらに進化した猫たちの世界が展開され、世代を超えた沢山の方々にご堪能いただきました。

人 从 众 𠈌  /  Jin Ju Gin Gu 展 2023年10月19日(木)-10月24日(火)

今展覧会は、彫刻・絵画等の各方面で活躍中の東京造形大学出身の5人の作家による展覧会でした。

中心となる三木俊治氏は、行列した人々をモチーフにした作品で知られる彫刻家で、立川市の伊勢丹横にある大きな群像のオブジェをはじめ、世界各地で作品が所蔵されています。

中込靖成氏は日本のみならず、ナポリ、ロスアンジェルスにも拠点を持ち活躍されている画家で、制作の中核をなす「Landscapes(風景)」シリーズは、広く海外でも支持されています。

上田靖之氏のミクストメディアの作品は、宗教性と幻想性を秘め、緻密でありながら壮大な世界観で描かれています。聖と俗が静かに入り混じり、長い年月をかけて増殖させていく作品で知られています。

山廣茂夫は、『もともと絵は抽象である』の著書でも知られている画家で、コラージュなどの手法も用いながらスタイリッシュな作品を手掛けています。

 山口芳幸氏の、和紙などを用いて独自の技法で描き出す作品は、異国の森に迷い込んだような安らぎと静けさ、幻想性に満ち、多くのファンを得ています。多くの方々にご高覧頂きました。

牧野 光代作品展「空と海と風と花」2023年10月5日(木)-10月14日(土)

画家でありステンドグラス作家の牧野光代さんは、透明感あふれる確かな筆致の画風、ステンドグラスにおいては美しいフォルムと鮮やかな色遣いとで知られています。

今回の展覧会では、今夏訪れたイタリアのアマルフィ海岸、高知県北川村の「モネの庭」での現地スケッチをもとに、空・海・風・花をモチーフとして制作した絵画作品(水彩画・アクリル画)と、ステンドグラス作品が並びました。

オバタクミ作品展『そして、舟は行く 』2023年9月21日(木)-10月2日(月)

オバタクミさんの作品は、異国情緒とノスタルジーに溢れ、スペインで開かれるカダケス国際ミニ版画展では2016年にグランプリを受賞しました。また、依頼を受け、ハンガリーの小説家Beregi Tamás氏の『EGYSZER EGY KUTYA』の表紙や挿絵の担当をする等、幅広く活躍されています。

今回は、銅版画家として国内外で活躍しているオバタさんの、ミクストメディアで描かれた「絵画」を中心とした展覧会となります。絵画であっても、静寂の中に研ぎ澄まされた世界が屹立するような表現は健在で、観る者に深い印象を残しました

鈴木久美子 個展『紙の上は宇宙だ!vol9 』2023年9月7日(木)-9月17日(日)

2022年にニューヨークで個展を開催した抽象画家の鈴木久美子さん。ミクストメディアで描かれる作品は、「生きることは表現すること、表現することは生きる力となる」のモットーそのままに、鮮やかな色調でみずみずしい生命力に溢れています。

表層にレジンを使用したスタイリッシュでオリジナリティ溢れる作品や、にごりのないヴィヴィットカラーの作品も多く、感性のあたたかさと豊かさとがダイレクトに伝わってきました。

 

「室田秀男 版画展 ―カタチ と セン と イロ― 」2023年8月29日(火)-9月3日(日)

あたたかみのある色彩。シンプルな形と線―。

木版画を中心に表現される室田さんの作品は、カラフルでどこかヨーロピアンな雰囲気が漂います。また、空間の造形デザインに従事する室田さんならではの「カタチ・セン・イロ」が、気負いなく自在に、どの作品にも楽し気に息づき、沢山の皆様にお楽しみいただきました。

GALLERY  SELECT展 ―FOR SUMMER― 2023年7月20日(木)-7月30日(日)

パート・ド・ヴェールという世界最古のガラス工芸技法で作品を制作しているガラス作家の大中原由紀さん、透明感のある絵と銅版画で知られるイケダユキコさん、アルミ箔の上に色を載せて絵を描き出す華道家でもある露華あつこさん等を中心に、人気作家さんの夏らしく涼やかな作品が大・小並びました。

また、「作家のブローチ展」も展示されました。

「作家のブローチ展」◆鈴木久美子(画家)◆田島弘行(画家&立体作家pa.co.(画家&木工作家三木コヲジ(画家.コラージュ作家)◆宙子/michiko(書家)◆丸山知子(画家)◆山宮律子(銅版画家)

館 泰子 展 in retrospect-ふりかえってみると‥‥―  2023年7月6日(木)-7月17日(月)

 抽象表現から生まれくる豊かな自然観が魅力の舘さんの作品は、シルクスクリーン、リトグラフ、コラージュなどの技法を駆使したミクストメディアの表現で、国内の版画公募展はもとより、スペイン・カダケスの国際ミニプリント展でグランプリ(入賞)を受賞するなど海外でも幅広く活躍されています。

 今展では、和服の染めのデザインに従事していたキャリアを感じさせる、日本古来の繊細で美しい色彩の作品が並び、伝統とアートの融合から生まれる版画表現の粋(すい)を感じさせてくれました。

DESKA街の住人たち  pa.co木工アート展 2023年6月22日(木)-7月2日(日)

外国のアンティーク店に転がっていそうな、ノスタルジーに満ちたPa.co.さんの作品は、人物の他に不思議な動物や建物・乗り物でいっぱいです。木彫に、クラフト染料と油性ペンキ、ハンダゴテ等を施すことで生み出される古びた朴訥な味わいは、多くの人を惹きつけてやみません。今展ではオブジェの他に平面絵画や大人気の木工ブローチも並び、ワクワク感満載の展覧会となりました。

辻 美保子 作品展  「ささいな事々」2023年6月8日(木)-6月18日(日)

東京を拠点に活躍している若手作家の辻美保子さんは、平面と立体の作品を平行しながら制作しています。独特の温かみと郷愁を感じさせる絵画は、アルキド絵具と油彩、パステル等で描かれ、明かりの灯る家やカフェにいる人々、そして百葉箱といった生活の中で見られる些細な光景がモチーフとなっています。

 また、日常の一瞬をポリエステル樹脂に封じ込めたオブジェ作品は、どこかシュールでなつかしい不思議な世界観に満ちて魅力いっぱいです。いまや日本にとどまらず、アジアからも注目されている辻さんの作品は、沢山の方々にお楽しみ頂きました。

寺床 まり子 展  ― 記憶のカケラ― 2023年6月1日(木)-6月6日(火)

2022年、ニューヨークで個展を開催した寺床さんの作品は、大胆なのにあたたかで、濃厚なのに軽やかな印象を与える洒脱な作風です。

てらいのない構図とカラフルさは、ファッショナブルでリズミカルでもあり、体の底から元気を貰えます。

頭ではなく、女性ならではの豊かな感性が描き出す、色彩豊かな面と曲線。そこから生まれくる心地よい浮遊感と なつかしい″ゆらぎ” は、皆さんに存分にご堪能ただけました。

山宮律子 銅版画展 2023年5月20日(土)-5月30日(火)

日本人離れしたカラフルでおおらかな作風で知られる銅版画家・山宮さんは、銀座和光の月刊情報誌の表紙やNHKラジオ講座テキストの表紙画などでも知られ、またスペイン・カダケスの国際ミニプリント展でグランプリを受賞するなど幅広く活躍されています。今回の個展では日常をモチーフにした銅版画作品、和光の月刊情報誌を飾った表紙の原画の他、異国情緒たっぷりのオブジェ等も展示致しました。

藤田利一 展 2023年5月11日(木)-5月16日(火)

東京で長くイラストレーターをされていた藤田さんは、現在、新潟県燕市に在住しながらアート活動を続けています。独特のワイヤー作品はダイナミックなものから異国情緒を醸し出すものまで幅広く、沢山のファンがいらっしゃいます。

また、崖の上にある古びた街並みを思わせる流木アートは、現在海外でも人気を博し注目を集めています。

長いキャリアながら独自のペースで活躍されている藤田さんの展覧会、ワクワク感いっぱいながらも大変見応えのあるものでした。